失敗しない7つのチェックポイント
こんにちは。今日は、私たちが現場で日々実践している、業務用エアコン選定の重要なポイントについてお話しします。
先日、20年以上営業されているラーメン店のオーナー様から印象的な言葉をいただきました。「最初の選び方を間違えると、何年も後悔することになるんですね」と。この言葉には、業務用エアコン選定の本質が凝縮されています。
■ 7つの必須チェックポイント
1. 必要な冷暖房能力(馬力)の見極め
- 基本計算式:床面積(㎡)× 天井高(m)× 0.28 = 必要能力(kW)
- 補正要素:
- 日当たり:南向きなら+10%
- 断熱性能:古い建物なら+15%
- 在室人数:常時20人以上なら+20%
先日のケース:150㎡の居酒屋で、必要能力を計算したところ、14馬力が適切でした。しかし、厨房からの熱を考慮して16馬力を提案し、お客様から「夏場も快適になった」とご好評いただきました。
2. 設置場所と方式の検討
- 天井カセット型:均一な空調が必要な広い空間
- 天井吊り型:工場や倉庫などの高天井空間
- ビルトイン型:天井裏スペースが限られている場合
3. ランニングコストの試算
平均的な使用パターンでの月間電気代の目安:
- 10馬力の場合:約8~12万円(夏季ピーク時)
- 省エネ機種選定で20-30%のコスト削減も可能
4. 室外機の設置スペース確認
- 必要スペース:10馬力の場合、約1m×1m以上
- 設置制限:近隣への騒音配慮、日光の影響
- メンテナンススペース:周囲60cm以上確保が理想的
5. 配管ルートと工事難易度
- 既存建物:天井裏や配管スペースの確認
- 新築:設計段階での最適ルート検討
- 工事費用の目安:直線10mあたり約3-5万円
6. アフターメンテナンス体制
- 定期点検:年2回以上推奨
- 故障時の対応時間
- 部品の供給期間(一般的に製造後10年)
7. 初期投資と長期コストバランス
- イニシャルコストと月間電気代の関係
- メンテナンス費用の年間試算
- 機器の予想寿命(一般的に10-15年)
■ 失敗しないための具体的アプローチ
実際の選定プロセスをご紹介します:
Step 1:現場調査
- 床面積、天井高の正確な測定
- 窓の方角、断熱材の有無確認
- 熱源(厨房機器等)の場所と発熱量チェック
Step 2:使用パターン分析
- 営業時間
- 想定来客数の時間帯別変動
- 季節による負荷変動
Step 3:コスト試算
- 導入費用(機器+工事)
- 月間電気代予測
- 年間メンテナンス費用
■ 成功事例から学ぶ
先月手がけた中華料理店での選定例:
- 課題:夏場の厨房熱対策
- 対応:
- 必要馬力を慎重に計算
- 厨房エリアは単独空調を追加
- 省エネ性の高い最新機種を採用
- 結果:前年比で電気代20%削減、店内快適性が大幅向上
■ まとめ:長期的視点での選定を
業務用エアコンの選定は、単なる機器選びではありません。10年以上のビジネスインフラを決める重要な判断です。
この記事で紹介した7つのポイントは、私たちが数多くの現場で培ってきた経験則です。しかし、実際の選定では、それぞれの現場固有の条件も重要になってきます。
ご不明な点や具体的なご相談があれば、いつでもお気軽にご連絡ください。私たちは、お客様のビジネスに最適な空調環境を実現するお手伝いをさせていただきます。
次回は、省エネ性能に特化した選定のポイントについて、より詳しくお話ししていきたいと思います。
